本記事では、プラスチック製品の中で最も流通量が多いPP(ポリプロピレン)やPE(ポリエチレン)の再資源化に適した粉砕機・破砕機の選び方を解説します。粘りや弾性があり熱で溶けやすいポリオレフィン系樹脂特有の性質を踏まえた選定ポイントをまとめているので、設備導入やリサイクルライン検討の参考にお役立てください。
包装フィルムや容器、パレット、コンテナ、自動車部品など、多岐にわたる用途で使用されるPP・PEを再資源化に適したサイズ・粒度へ加工する設備です。PP・PEは「ポリオレフィン」と呼ばれ、軽量で耐薬品性や耐衝撃性に優れる一方、柔軟で粘り強い特性を持っています。脆性破壊(割れ)が起きにくいため、素材をしっかりと剪断(引きちぎる・切り刻む)できる機種を選ぶことが重要です。
PP・PEは一般的なプラスチックと比べて融点が低く(PE:約105〜135℃、PP:約160℃)、柔軟で引き裂きに強いという性質を持ちます。そのため、粉砕・破砕時には「摩擦熱による融着」と「刃の切れ味低下による噛み込み」への対策が欠かせません。
刃物の切れ味が落ちて押しつぶすような破砕になると、摩擦熱によって樹脂が溶け、スクリーン(排出網)の目詰まりや刃物への融着(団子化)を引き起こします。ハサミのように鋭くカットできる「シザーズカット(剪断刃)」の採用や、刃先クリアランスの精密な調整、必要に応じたブロワー風冷や水冷機構の導入が有効です。
特にフィルムやシート、ブローボトルなどのPP・PE廃材は、重量に対して容積が大きい(かさ比重が小さい)ため、ホッパー内でブリッジ(滞留・浮き上がり)を起こしやすくなります。スムーズに破砕室へ送り込むための油圧プッシャー(押し込み装置)や強制フィーダーの有無を確認しましょう。
物流パレット、通い箱(コンテナ)、バンパー、ペール缶などの硬質成形品は、肉厚で粘り強いため破砕時に強い反発力が生まれます。高トルクで低速回転する一軸破砕機や二軸破砕機を選定し、突入時の過負荷反転機能や、耐衝撃性に優れた頑丈なローター構造を備えているか確認することが大切です。
ストレッチフィルム、農業用マルチシート、フレコンバッグ(織布)などの軟質材は、ローターシャフトに巻き付いて過負荷停止や摩擦熱トラブルを引き起こすリスクがあります。ローターと側壁の隙間を塞ぐ巻き付き防止設計や、引っ掛かりを防ぐ連続刃・ヘリカル刃の採用が選定の決め手となります。
PP・PEは「肉厚な大型成形品」から「極薄のストレッチフィルム」まで形状の幅が極めて広いため、自社が扱う廃材の形状・厚み・異物混入度合いに特化した機種選定が不可欠です。
また、熱融着を防ぐための刃物構造やクリアランス調整機構、フィルムの巻き付き対策など、ポリオレフィン特有の粘り気に対する具体的な機構・ノウハウを持つメーカーを比較検討することが成功のポイントです。
実際の破砕粒度や融着の有無を事前に確かめるためにも、実機テストを実施できるメーカーを選びましょう。当メディアでは、PP・PEの処理実績が豊富な破砕機・粉砕機メーカーを厳選してご紹介しています。
PPやPEのフィルム・シート専用に設計された「BOシリーズ」を展開する粉砕機メーカーです。回転刃と固定刃による剪断力がフィルムに対して直角方向に作用するため、素材をこすらずにシャープに切断し、粉砕室内での滞留時間を大幅に短縮しています。
これにより、PP・PE特有の粘りや伸びによる熱融着・熱劣化リスクを低減し、粒度が均一で流動性の高い粉砕片を回収できます。スクリーンの有効面積を広く確保し、吸引空気の通過面積も大きくとった独自構造によって、排出効率の向上と発熱抑制を高いレベルで両立しています。
| シリーズ名 | BOシリーズ |
|---|---|
| 型式 | BO-2572 |
| 分類 | フィルム・シート専用粉砕機(剪断式) |
| 主な処理対象 | PP・PEフィルム/PP・L-LDPEフィルム/各種フィルム・シート(硬質・軟質・厚物・薄物) |
| 出力 | 18.5kW(4Pモーター) |
| 刃の構成 | 回転刃+固定刃(剪断式) |
| 投入口寸法 | 要問合せ |
| 総重量 | 約1,250kg |
| 特記事項 | スクリーン大有効面積設計、吸引空気通過面積による発熱抑制構造(PP・PEフィルム処理で150kg/hの実績あり) |
自社製破砕機「DRAGON SHRED(ドラゴンシュレッド)」を展開する会社です。DS40シリーズは、PEフィルムからPP板材、プラスチックコンテナ、混合廃プラまで幅広く対応するプッシャー式一軸破砕機です。
油圧プッシャーがローターの電流負荷に応じて材料を強制的に押し込むため、軽量で絡みやすいPEフィルムやかさばる大型成形品も停止することなく安定処理が可能です。過負荷時の自動反転復旧機能を標準装備し、スクリーン(丸穴・スリット)の変更で再資源化用途に合わせた粒度調整が行えます。回転刃には40mm角の特殊鋼バイト刃を採用しており、四辺をローテーションして最大4回使えるためランニングコストも抑えられます。
| シリーズ名 | DRAGON SHRED(ドラゴンシュレッド)DS40シリーズ |
|---|---|
| 型式 | DS4080 |
| 分類 | プッシャー式一軸破砕機 |
| 主な処理対象 | PEフィルム/PP板材/プラスチックコンテナ/混合廃プラ/発泡PEシート |
| 出力 | 37kW+3.7kW(油圧ユニット等) |
| 刃の構成 | 回転刃35枚、固定刃2枚×2か所(40mm角特殊鋼バイト式) |
| 投入口寸法 | W1,622×D1,500mm(ローター径φ390×幅800mm) |
| 総重量 | 要問合せ |
| 特記事項 | 電流負荷連動油圧プッシャー、過負荷時自動逆転復旧、交換可能スクリーン(丸穴・スリット) |
廃プラスチックの破砕・粉砕・洗浄・脱水からペレット化設備まで一貫して手掛ける国内メーカーです。PEをはじめとする樹脂シート・フィルムの処理向けに「シート用引取ロール付粉砕機」を提供しています。
原反や不良シートをローラーで引き取りながら破砕室へ送り込むため、フィルムのたるみや巻き込みを防ぎ、連続投入をスムーズに実現します。また、パレット、コンテナ、ポリドラム、農業用ネットなどの硬質・軟質PP・PE製品に対応する設備群を持ち、湿式粉砕・洗浄・脱水装置「プラショリ」と組み合わせた汚れ・異物対策ラインの構築にも強みを持っています。
| シリーズ名 | シート用引取ロール付粉砕機 |
|---|---|
| 型式 | 要問合せ |
| 分類 | フィルム・シート用粉砕機(引取ロール付き) |
| 主な処理対象 | PEフィルム/ポリエチレン樹脂シート/フィルム原反・端材/不良シート |
| 出力 | 要問合せ |
| 刃の構成 | 要問合せ |
| 投入口寸法 | 要問合せ |
| 総重量 | 要問合せ |
| 特記事項 | 原反・不良シート連続引き取りロール機構、錆に強いメッキ仕様対応、湿式装置「プラショリ」とのライン連携可能 |
洗浄と粉砕を同時に行い、塊をほぐして汚れや水分を飛散させる独自技術※1により、汚れた廃プラを高純度原料へと再資源化。洗浄時に発生する排水の処理設備を含め、プラント全体を支援します。
年間300件以上のサンプルテスト※2で得たデータに基づき、汚れた廃プラを再資源化できるか導入前に評価。設備投資後に「汚れが落ちず再資源化できない」と判明するリスクを抑えられます。
粗大プラ・混合廃棄物を、分解せずそのまま投入できる大型破砕機を提供。1.9mサイズを15~30cm程度※3にできるため、トラックへの積み込みや搬出作業の負担を減らせます。
1時間あたり最大40tを処理※4できるほか、負荷に応じて回転数・方向を自動制御する機能で噛み込みによる停止リスクを軽減。処理待ちの廃棄物が滞留して保管スペースを圧迫する事態を防ぎます。
成形機から出た単一樹脂が他材料と混ざる前に粉砕できるよう、機械横に設置しやすい省スペース・低振動機などを展開。バージン材に近い純度の再利用で、コスト削減や歩留まり向上を狙えます。
成形工程別の専用機により、形状・材質が異なる工程端材でも微粉やヒゲの混入を抑制。粒度が安定し、溶融ムラや計量精度のブレを抑えられるため、成形不良防止につながります。