廃プラスチックリサイクル設備の構成と選定ポイント

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汚れや異物が混じった廃プラスチックを再生原料にするには、破砕・粉砕、洗浄、選別、脱水・乾燥、造粒など複数の工程を組み合わせたラインが必要になります。一方、汚れの少ない自社の端材や成形不良品であれば、粉砕機だけで再利用できる場合もあります。

本記事では、廃プラスチックの性状や再生材に求める品質によって変わる設備の構成と選定ポイントを解説しているので、参考にしてみてください。

廃プラスチックの
リサイクル設備とは

受入時の粗選別から造粒(ペレット化)まで、複数の工程を担う設備群を指します。代表的な工程は次のとおりです。

  1. 粗選別:受入時に大きな異物を取り除く
  2. 破砕・粉砕:廃プラスチックを後工程で処理しやすい大きさにする
  3. 洗浄:付着した汚れや異物を洗い落とす
  4. 選別:洗浄後に樹脂の種類や異物を分ける
  5. 脱水・乾燥:洗浄後の水分を取り除く
  6. 造粒(ペレット化):樹脂を溶融して再生ペレットにする

なお、すべての廃プラスチックに同じ工程が必要なわけではありません。汚れの少ない自社の端材などは粉砕機だけで再利用できる場合がある一方、汚れや異素材が混じった廃プラスチックでは、洗浄・選別・脱水・乾燥・造粒などの組み合わせが必要です。どの機器を組み合わせるかは、処理する廃プラスチックの種類や汚れ、処理量、求める再生材の品質によって変わります。

リサイクル設備を構成する
主な機器

粉砕機・破砕機

大きな廃プラスチックを扱いやすいサイズまで小さくする工程を担います。処理対象物が大きい場合は破砕でかさを減らし、その後に粉砕して洗浄や造粒に適した粒度(粒の大きさ)まで整えるなど、工程を分けて処理するのが一般的です。

処理対象物の形状や硬さに応じた機種の選び方は、廃プラスチックリサイクル向け粉砕機・破砕機の記事で詳しく解説しています。

洗浄機

破砕・粉砕した廃プラスチックに付着した汚れ・食品残渣・土砂などを除去する工程を担う機器です。汚れの種類や程度に応じて、洗浄槽や摩擦洗浄機などを組み合わせます。必要な洗浄工程は処理対象によって異なるため、汚れの種類や再生材に求める品質を踏まえて構成することが重要です。

選別機

廃プラスチックに混入した異素材や異物を種類や性質に応じて分ける工程を担います。選別方式は、混入している異物の種類や再生材に求める純度に応じて検討します。代表的な選別方式は以下の5つです。

  • 風力選別(気流選別):軽いフィルムや粉じんなどを気流によって分ける方法
  • 比重選別:水などを利用して比重の差からPETとPP・PEなど異なる樹脂を分離する方法
  • 磁力選別(磁選機):鉄をはじめとする金属を磁力で除去する方法
  • 非鉄金属選別機:アルミなどの非鉄金属を除去する方法
  • 光学式選別機:近赤外線などを利用して樹脂の種類を判別する方法

また、最終段階で金属検出機を設置し、残存する金属の混入を確認する構成もあります。

脱水機・乾燥機

脱水は遠心力などによって機械的に水を切る工程、乾燥は熱風などによって残った水分を取り除く工程で、脱水機のあとに乾燥機を置く構成が一般的です。

造粒に進む前にどこまで水分を低減する必要があるかによって、必要な機器や乾燥方法が変わります。水分が十分に除去されないまま溶融・造粒すると、気泡や品質のばらつきにつながる可能性があるため、再生材の品質に応じた水分管理が必要です。

押出機(ペレタイザー)

洗浄・乾燥を経たフレーク(細かく砕かれたプラスチック片)を溶融し、再生ペレットとして造粒する工程を担います。押出機で樹脂を溶かして押し出し、ペレタイザー(造粒機)で粒状にカットする構成が基本です。

メーカーによって呼び方や機器の構成が異なるため、見積りを比較するときは、それぞれが何の工程を担い、何台で構成されているのかを確認しておきましょう。

排水処理設備・搬送設備

洗浄工程では、泥・砂・食品残渣・油分などを含んだ排水が発生するため、排水処理設備が必要です。各機器の間ではコンベヤやブロワなどの搬送設備を使って処理物を移動させます。

主要機器だけでなく、排水処理や搬送を含めたライン全体を計画して、設置スペースや処理能力、運用コストを把握しましょう。

廃プラスチックリサイクル
設備導入時のポイント

処理対象の性状と処理量から
必要な設備を決める

設備を選ぶ際は、機種を先に決めるのではなく、処理対象と再生材に求める品質から必要な工程・処理能力を整理することが基本です。メーカーへ相談する前に、次のような項目を整理しておくと、設備構成を検討しやすくなります。

  • 処理する樹脂の種類
  • 汚れの種類と程度
  • 廃プラスチックの形状・サイズ
  • 必要な処理量(kg/h、t/日など)
  • 再生材の用途と求める品質・純度
  • 設置可能なスペース
  • 使用できる電力・水などの条件

工程能力・ユーティリティ・
設置条件を確認する

一部の工程だけ処理能力を高くしても、前後の処理工程が詰まるとライン全体の処理能力を十分に発揮できません。各工程の処理能力をバランスよく設定するとともに、電力・水・圧縮空気などの用役設備(ユーティリティ)を確保できるかも確認する必要があります。

また、洗浄工程で発生する排水を処理できるか、搬送設備を含めて設置スペースが足りるかなども導入前に確認しておきたいポイントです。主要機器だけでなく、排水処理設備や搬送設備などの周辺設備まで含めたライン全体の計画を立て、設置条件と必要な設備を検討しましょう。

設備導入で廃プラスチック
リサイクルを実現するなら

廃プラスチックのリサイクル設備は、処理対象の性状や処理量、再生材の用途によって必要な設備構成が変わります。そのため、設備単体の性能だけでなく、自社の処理目的に合った機器を組み合わせ、ライン全体を提案できるメーカーを選ぶことが重要です。

当メディアでは、「廃プラの再資源化」「粗大プラスチック・混合廃棄物の破砕減容」「ランナー・端材・成形不良の再利用」の3つの処理目的に分け、処理対象物や処理後の活用方法を踏まえて、粉砕機・破砕機メーカーを紹介しています。自社の処理目的に合うメーカーを比較・検討したい方は、以下をご覧ください。

プラスチック処理の目的別
粉砕機・破砕機メーカー
おすすめ3選
プラスチック処理の主な目的は、以下の3つに大きく分けられます。処理目的ごとにライン構築や設備提案を行っているおすすめのメーカーを紹介しているので、処理後の価値を高めたい方はお役立てください。
リサイクル業者向け
汚れた廃プラスチック
再資源化なら
日本シーム
日本シーム
引用元:日本シーム公式HP(https://www.nihon-cim.co.jp/product/cleaning-crusher/scissors-cutter.html)
再資源化を妨げる
汚れや臭いを除去

洗浄と粉砕を同時に行い、塊をほぐして汚れや水分を飛散させる独自技術※1により、汚れた廃プラを高純度原料へと再資源化。洗浄時に発生する排水の処理設備を含め、プラント全体を支援します。

設備導入前の試験で
汚れが落ちるか評価

年間300件以上のサンプルテスト※2で得たデータに基づき、汚れた廃プラを再資源化できるか導入前に評価。設備投資後に「汚れが落ちず再資源化できない」と判明するリスクを抑えられます。

廃棄物処理業者向け
粗大プラ・混合廃棄物
処分・搬出なら
ウエノテックス
ウエノテックス
引用元:ウエノテックス(https://www.uenotex.co.jp/blog/product1/3571/)
かさばる廃棄物の
搬出作業負担を軽減

粗大プラ・混合廃棄物を、分解せずそのまま投入できる大型破砕機を提供。1.9mサイズを15~30cm程度※3にできるため、トラックへの積み込みや搬出作業の負担を減らせます。

廃棄物の滞留や
ライン停止を防ぐ

1時間あたり最大40tを処理※4できるほか、負荷に応じて回転数・方向を自動制御する機能で噛み込みによる停止リスクを軽減。処理待ちの廃棄物が滞留して保管スペースを圧迫する事態を防ぎます。

射出成形メーカー向け
成形不良品や端材
現場内再利用なら
ホーライ
ホーライ
引用元:ホーライ(https://horai-web.com/products/item_lc-series.html)
バージン材に近い
純度で
再利用できる

成形機から出た単一樹脂が他材料と混ざる前に粉砕できるよう、機械横に設置しやすい省スペース・低振動機などを展開。バージン材に近い純度の再利用で、コスト削減や歩留まり向上を狙えます。

粒ムラによる
成形不良を防止

成形工程別の専用機により、形状・材質が異なる工程端材でも微粉やヒゲの混入を抑制。粒度が安定し、溶融ムラや計量精度のブレを抑えられるため、成形不良防止につながります。

※1参照元:J-PlatPat|特許第7580733号(https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7580733/15/ja
※2参照元:日本シーム公式HP|集計年度記載なし・2026年7月時点の公式HP掲載情報(https://www.nihon-cim.co.jp/lp2/index.html
※3・※4参照元:ウエノテックス公式HP|MGシリーズのスペック(https://www.uenotex.co.jp/blog/product1/3517/